この記事では、訪問美容師というあまり聞きなれない職業についてリサーチしてみました。
美容✖️介護という新しいジャンルの訪問美容師ですが、2023年現在では圧倒的に従事している人の数が不足しているそうです。
これから美容師を目指そうという方や今後転職して美容師になろうという方、現在美容師として働いている方にとって、訪問美容師というジャンルは新たな選択肢のひとつです。
訪問美容師は今後ますます需要の増える職業ですので、興味のある方の参考にしていただけると幸いです。
訪問美容師は高齢者や障害のある方に訪問して美容サービスを提供する職業
訪問美容師になるためには、美容師免許が基本的に必要です。
ただし、訪問美容師として十分なサービスを提供するためには、美容師免許➕福祉関連の知識やスキルも求められます。
訪問美容師は、自宅や介護施設、病院などを訪問して、高齢者や身体の不自由な方に対してカットやカラーなどの美容サービスを提供します。
お客様一人ひとりの事情に合わせて施術を行うため、コミュニケーション能力や気遣いが必要です。
2025年には、日本の高齢者率が30%を超えると予想されており、高齢化社会がますます進む中で、訪問美容師の需要は増加するでしょう。
訪問美容師は、高齢者や要介護認定を受けている方など、特定のお客様に対して施術を行うことが法律で定められています。
美容師免許を持っていれば、理論上は訪問美容師として働くことができます。
しかし、高齢者や障害のある方を対象にするため、福祉関連の知識やスキルも必要です。
福祉や介護の基礎知識や手技を学ぶための講習会やセミナーに参加することも有益です。
訪問美容師は、お客様が自宅や施設でリラックスして施術を受けられるように配慮する必要があります。
また、高齢者や身体の不自由な方に対して施術を行うため、体力やスタミナも求められます。
訪問美容師になるためには、美容の知識や技術だけでなく、福祉に関する知識やコミュニケーション能力も大切です。
訪問美容師としての仕事は大変ですが、高齢化社会において必要とされる社会的な意義があります。
訪問美容師の仕事は自分の技術や知識を生かして、高齢者や身体の不自由な方の暮らしを豊かにするお手伝いをすることで、やりがいを感じることができるでしょう。
訪問美容師として必要なのが「介護職員初任者研修課程修了資格」
訪問美容師として活動する際、美容師免許だけでなく「介護職員初任者研修課程修了資格」を取得しておくことが重要です。
この資格は、在宅介護や訪問介護を行う方を対象としており、訪問介護の入り口とされています。
介護職員初任者研修とは?
介護職員初任者研修では、知識や介護現場でのコミュニケーションの方法、老化や認知症に関する理解など、さまざまな知識・スキルを学ぶことができます。
この研修は、各都道府県が指定した養成機関で実施されており、合計130時間の講義を受けます。
最終的な修了評価に合格すれば修了証が授与されます。
訪問美容師として働きたいのであれば、ぜひこの資格取得をおすすめします。
介護の知識の有無によって、仕事の進め方や施術の適切さに違いが生じるからです。
訪問美容師としても、介護知識のある人の方が問題なく施術を行うことができます。
訪問美容師に必要なのは介護の知識
もし、訪問美容師として活動する上で介護の知識が不十分な場合、利用者の方に対して適切でない接し方をしてしまったり、重大なミスをすることもあり得ます。
最悪の場合、利用者の方にけがをさせてしまうかもしれません。
そのため、訪問美容師として活動をスタートさせる前には、介護に関連する知識全般や身体介助の知識・スキルをしっかりと学ぶことが非常に重要です。
訪問美容師は、視力の衰えや聴力の低下など、さまざまな症状を抱える方々を対象としてヘアスタイリングを行います。
介護がなぜ必要なのか、介護施設の役割はどのようなものかなど、介護全般に関する知識を習得することで、お客様の気持ちを理解し、適切な接し方を考えることができるようになります。
また、介護施設には大きく「主に自立している方が利用する施設」と「主に要介護状態の方が利用する施設」の2種類があります。
このような介護施設の型や提供されるサービス内容についても理解しておくことは、訪問美容師として活動する上で役に立つでしょう。
介護付き施設の種類と訪問美容師の役割
介護付き有料老人ホームやグループホームは、高齢者や認知症の方々向けの施設です。
介護度に応じたサービスを提供しており、民間企業によって運営されています。
訪問美容師が訪問するのは、このような施設が中心です。
介護付き有料老人ホームは介護度の軽い方から重い方までが入居し、グループホームでは認知症の方が介護者と協力しながら自立した生活を送ることを目指しています。
介護付き施設におけるスタッフの資格
介護施設では、さまざまな有資格者が働いています。
主な資格としては、「介護職員初任者研修課程修了資格」があります。
また、その後「実務者研修修了資格」や「介護福祉士」を取得することで、施設で中心的な役割を果たします。
さらに、看護師やケアマネージャー、理学療法士などもスタッフとして参加していることもあります。
訪問美容師として活動する場合は、介護施設で働くさまざまなスタッフと協力し、自身の役割を理解しておくことが重要です。
要介護者と自宅での生活
要介護者の自宅での生活スタイルを把握することも大切です。
移動が困難な方もいれば、自力で食事やトイレができる方もいます。
さまざまなケースを学ぶことで、どのような介助が必要か理解することができます。
また、福祉施設と個人宅では介助の内容が異なるため、臨機応変に対応する必要があります。
福祉施設では、基本的に施設の職員が介助を行うため、訪問美容師は介助の必要がない場合が多くあります。
利用者さんと接する際は、適切な補助方法を学ぶことが求められます。
訪問美容師によるサービスとは?
訪問美容師によるサービスは、美容師のサポートがあればスムーズに行うことができ、施設やスタッフの負担も軽減されます。
その結果、リピーターの確保にもつながる可能性があります。
個人宅への訪問時には、美容師自身が介助を行うことがあります。
具体的には、ベッドや椅子からの起き上がりや座るといった動作をサポートすることが主な役割です。
多くの場合、この介助は利用者の家族が行いますが、家族自身も高齢の場合があります。
そのため、基本的な介助のスキルを美容師が持っていることは必要不可欠です。
訪問美容師として働く方法
まず、自分自身で開業し訪問美容師として活動する方法があります。
この場合、事業開始のために必要な手続きを自分で行う必要があります。
例えば、訪問先の地域を管轄する保健所へ開業申請を提出する必要があるケースもあります。
各都道府県や自治体によって規定が異なるため、事前に必要な手続きや書類を確認しましょう。
この方法のメリットは、仕事の自由度が高く、自分の都合に合わせて働くことができることです。
また、開業資金が必要ない点も魅力の一つです。
一方で、顧客を獲得するための営業活動やクレーム対応なども全て自分で行わなければなりません。
もう1つの方法は、訪問美容を専門とする企業で働くことです。
この場合のメリットは、すでに顧客が獲得されているため、定期的で安定した仕事があることです。
また、企業内で訪問美容の基礎知識やスキルを習得することもできます。
ただし、デメリットとしては、報酬があまり高くないことが挙げられます。
企業によって異なりますが、一般的な収入を得るためには、1日に10人から20人以上のカットを行う必要がある場合もあります。
求人情報を比較し、自身の技術や希望する勤務形態に合った企業を選ぶことが重要です。
日本の高齢化が進む中で、訪問美容師の需要はますます高まっていくでしょう。
ヘアカットやスタイリングは、単に髪を切ってスッキリさせるだけでなく、利用者の生活の質を向上させる大切なサービスです。
訪問美容師が施設やスタッフと協力し、利用者にとって快適で満足のいくサービスを提供することが求められています。
訪問美容師の役割とは?
訪問美容師は、美しく人を変えるだけでなく、一瞬の間でも介護の一部を担うという困難な役割を持っています。
訪問美容師は、お客様の自宅などに訪問し、美容サービスを提供します。
例えば、髪のカットやパーマ、ヘアカラー、ヘッドスパなど美容の仕事全般を行います。
しかし、訪問美容師に求められるのは、ただ美しく仕上げるだけではありません。
訪問美容師は、高齢者や身体的な制約がある方など、外出が難しいお客様に対しても美容サービスを提供しなければなりません。
そのため、お客様への配慮や気配りが欠かせません。
例えば、車椅子のお客様には、車椅子に座ったまま施術を行う必要があります。
また、体力的にも大変であり、長時間の立ちっぱなしや重い機材の持ち運びも必要です。
さらに、訪問美容師はお客様にとって一時的な癒しを提供することも求められます。
高齢者の方や病気でお困りの方々は、外出すること自体が困難な場合もありますので、訪問美容師が来てくれることは非常に貴重な時間となります。
そのため、お客様とのコミュニケーションや人間関係構築が重要となります。
訪問美容師は、美容のプロフェッショナルであると同時に、お客様の生活の一部を支える存在でもあります。
お客様の笑顔を作り出すために、親切で丁寧な対応が求められるお仕事なのです。